「FP弁護士」を目指す無職のブログ

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「詐欺師」に気をつけろ~証券マンの実態~

2011年6月17日、私はある大手証券会社を自主退職しました。

それからもうすぐ丸一年。
悪い意味でも、そして前向きな意味でも、私自身にとっての記念日を迎えます。

私は、自分なりの「お客様第一主義」を実現させたいと思い、会社を辞め、他の生き方を探そうと考えました。裏を返せば、残念ながら以前の環境では、私の願う「お客様第一主義」は実現できない、と思わざるを得なかったということです。

今回は、証券会社の中のほんの一部の営業マンの仕事ぶりを引き合いに、「どうすれば投資業界が今よりも良くなるか」(大袈裟な話ですが)を述べたいと思います。

先に断っておきますが、これから書くこと全ては、証券業界全体もしくは個別の証券会社全体の話ではまったくなく、そういうまっとうな業界・会社の中の限られた一部の証券マンの仕事ぶりについての話です。過度に一般化した話ではなく、私が出会った証券マンのうち「こういう人がいた」という単なる経験上の話ですので、その趣旨の上でお読み頂ければ幸いです。

私は3年間の証券マンとしての経験から、世の中の証券マンの中には「詐欺師」のような愚か者が存在する、と知りました。お客様の利益など何とも思わず、ただ自分の営業実績のことしか考えていない、軽蔑すべき証券マンたちのことです。(もちろん一部の女性も含まれます。)

いきなり結論から述べますが、そういう「詐欺師」たちを反面教師として、私は証券外務員について次のようなルールを徹底させる必要があると断言します。
※ 証券外務員とは、証券会社や銀行などあらゆる金融機関で株式や投資信託の売買等を勧誘する者を指す。

<徹底させるべきルール>
回転売買をゼロに!
適合性違反をゼロに!
説明義務違反をゼロに!


専門用語ばかりで申し訳ないですが、「回転売買」「適合性違反」「説明義務違反」も、すべて不当な行為です。(詳しくは各リンクをご参考に。)

要するに、上記のような不当・違法な行為を繰り返す証券外務員が一部存在していることを、私は会社生活の中で思い知らされたのです。そこで今後、そういう一部の人たちには粛々と金融市場からご退場いただき、上記不当行為を投資業界から一掃すべし、と訴えたいのです。

わかりにくいと思いますので、私の知る先輩証券マンたちの仕事ぶりを参考に、少し事例を紹介してみます。

例えば、あなたがサラリーマン生活40年程を経て、晴れて定年退職したばかりだったとしましょう。
退職金について相談するため、安心感のある大手証券を訪れ、受付に出てきた男性社員と話しています。相手社員の年齢はおそらく30代前半。少し若いですが、自信に満ち溢れた様子でハキハキとしゃべる姿に初対面では好印象を抱きました。

あなた「銀行の金利も低いので、日本の国債にでも投資して少しでも増やせたらいいのですが・・・よくわからなくて」
社員「国債ですか。あんまりおすすめしないですねえ。日本も借金が多いですしねえ」
などなど、今の経済情勢について、時折雑談を交えながら、わかりやすいレクチャーを受けます。先々の見通しでは円安になるという意見が一般常識で、どうやら外国通貨の投信がよく売れているようだ、と話からわかります。

2~30分話した後、社員はおもむろに何かのパンフレットを取り出しました。
社員「これは、グローバル○○○○投信と言いまして。新商品なんですが、今一番お客様に気に入って頂いてるんですよ!」
そう言って、社員はその商品内容を自信満々に説明し始めます。ブラジルの通貨がどうのこうの、どうやら新興国に投資する商品のようです。何とかプレミアムなどなど、専門用語の説明を受けますが、わかったようでわからないというのがあなたの正直なところです。ただ、その商品がすごく儲かりそうだという印象だけは伝わってきます。それに、「投信から出る毎月の分配金がこんなに高い!」と社員が繰り返し強調してきます。

あなた「投信と聞くと、少し怖いイメージがあるのですが・・・大丈夫なんでしょうか?」
社員「大丈夫ですよ!私はこれが良いと思います!絶対とは言っちゃいけないですが、でも絶対上がると思いますね
あなた「そうなんですか!でも新聞などを読むと、たまに専門家の方が『投信は値動きが大きいから注意した方が良い。特に新興国に投資するなんてもってのほかだ』と言うのを目にしますが・・・」
社員「ええ、そういう方もいらっしゃるみたいですけどね。そういう専門家の人たちは自分で投資したことのない人たちばかりですから、投資についてよく知らないんですよ。投資なら我々の方がはるかに詳しいんです
・・・

こういうやり取りを1時間弱。とにかく強気の社員の話に、あなたは少しずつその気になってきます。「少しだったら大丈夫だろう・・・これだけ大手のプロが勧めるんだ。何かあったら、またこの担当さんがアドバイスしてくれるに違いない。信頼できそうな人だし」とあなたは考え、相手社員の勧めるままにその新商品の投信を買ってみることにしました。

社員「ご購入ありがとうございます!それでは、手数料のご説明をさせて頂きますね。まず購入時に3.15%の手数料がかかります」
あなた「え?そんなにかかるんですか・・・」
社員「ええ、そうです。ただ、これはすぐ分配金で取り返せますよ
このように手数料について説明する社員の言葉に、あなたは少し不満を感じながらも、「買う」といった手前しぶしぶ応じます・・・。

口座の開設と購入手続きを終え、たくさんもらったよく分からない用語ばかりの資料を抱えて、あなたは相談カウンターの席を立ちます。
あなた「値動きが大きいと思いますので、何かあったらすぐに教えて下さいね。電話に出られないこともあると思いますが」
社員「毎日値動きをチェックしていますから、ご安心ください。何かあった時は、必ずご連絡させて頂きます」

・・・

しかし、購入後数か月経っても、その担当社員と直に会う機会はおろか、電話で話すことさえ一度もありませんでした。確かに、購入直後1~2度は電話に着信履歴が残っていましたが、その後ぱったりと連絡が途絶えてしまったのです。

そうこうしてるうちに、テレビからはこんなニュースが・・・。
「世界同時株安止まらず。ギリシャ危機再燃」
「円高、5日続伸。一時75円台に」


心配になったあなたは、購入した投信の状況をチェック。すると、その投信の時価が買った時より3割以上下がっているのをはじめて知りました!それで驚いてインターネット等でよくよく調べてみると、「分配金は元本の取り崩しの場合がある」という、聞いてなかった話まで出てくる始末。毎月送られてくる分配金の通知は、いつも同じ金額で安心していたのに・・・。
「こんな状況になるまで一度も話さずに放置するとは!しかもあんなに自信満々な説明で、こんなに下がることがあるなんて一言も聞いてない!」と担当者に怒りを感じたあなたは、購入時に聞いた電話番号に我を忘れて電話をします。

あなた「どういうことなんですか!?ちゃんと連絡をくれると言ったのに、ひどいじゃないですか!!」
社員「申し訳ございません!かくかくしかじかで、このような状況に・・・。」
あなた「最近はネット証券もあるのに、わざわざあなたのところにお願いしたんですよ!高い手数料も払ったのに!!」
社員「本当に申し訳ございません・・・」
平身低頭に謝罪の言葉を繰り返し、「是非一度、直接謝らせてください・・・」と反省した様子で言ってくる担当社員の言葉に、怒りを抑えつつ、会う約束をするあなた。

そして後日、担当社員が訪ねてきてこう言うのです。
「本当に申し訳ありません。そこで、別の商品を持ってきました!この投信に買い換えて損を取り戻しましょう!手数料は4.2%で・・・」


繰り返しますが、以上の事例はごく一部の劣悪な営業員の話です。投資業界全体もしくはどこか特定の会社で働く営業員全員にあてはまる話では、全くありません。(そう信じたいものです。)
上記の事例は、私が仲良くさせて頂いたお客様から教えて頂いた複数の事例等も元に書いたもので、ところどころ内容を変えていますが、主要な部分は実際にあったことです。

「手数料」というのは、証券マンの営業実績になるものです。例えば、手数料が3.15%の投信を1000万円購入した場合、最初に約30万円の手数料を取られます。そして、この「30万円」が証券マンの実績になるわけです。(ちなみに、上記事例で仮に1000万円投信を買ったとしたら、「3割以上」時価が下がったというのは、当然ですが「300万円以上」の損失の状態を意味します・・・。
このようなシステムゆえ、まっとうな証券マンが多い(はずの)会社の中に、「手数料稼ぎ」しか考えない一部の愚かな「詐欺師」が存在する場合があるのです。

そしてこういう一部の「詐欺師」たちが、既に述べた「回転売買」「適合性違反」「説明義務違反」といった違法行為を繰り返すのです。

※ ちなみに、実際に報道されたケースは以下の通り。下記によると、一部には組織的な違法行為も。

コスモ証券が回転売買 証取委、行政処分を勧告
不適切勧誘で初の処分勧告 証券監視委、泉証券(現SMBCフレンド証券)に
デリバティブで賠償命令=野村証券に2億5000万円-大阪地裁


繰り返し断っておきますが、私は証券業界全体とか、ある会社全体とか、すべての証券マンが悪い、と言っているのではありません。ことさらに一般化・全体化して、全てがダメだ、などと言うつもりは一切ありません。一部の愚かな人間のせいで真面目に働いている証券マン全てを否定することなど、そもそも誰にもできません。実際、一部の愚かな「詐欺師」たちは、お客様を裏切るとともに、周囲で働く同僚たちやまっとうな己の会社そのものを裏切っているのですから、第一にその責任は当然その「詐欺師」自身にあります。

ですから、私は「証券業界批判・証券会社批判」をするつもりでは全くなく、「まっとうな己の会社すら裏切って、ひたすら利己的に違法な営業を行う一部の証券マンたちの間違いを正したい」だけなのです。

そして、残念ながらそういう違法な営業をする者たちに対しては、厳しい罰則を科して金融市場から退場させなければならない、と考えているだけです。(つまり、上記の<徹底させるべきルール>をきちんと守るべき、という当然の社会常識を単に確認しているに過ぎず、このような「確認」については当然全ての証券会社さんがご賛同して頂けるものだと存じます。)

ただ正直に言えば、既に書いた通り、私が出会った証券マンのうちにも違法行為を繰り返す「詐欺師」のような者がいたことは事実です。そして、上記の事例のような営業や、もっとひどい違法な営業を目の当たりにしました。それを思い出しただけでも、今でも本当に反吐の出る思いです。

確かに、こうやってお世話になったかつての同僚や会社のことを「一部」でも悪く言うことは、無礼なことだと重々理解しています。しかし、私が誰よりも感謝し、恩を感じている方々は「お客様」の皆様です。お客様の利益を最優先に考えたならば、やはり「そういう愚かな営業員がいた」ということを広く伝えなければならないと思わざるを得ませんし、それゆえに今後は一部の「詐欺行為」に厳罰を科して頂き、証券業界がより一層クリーンでお客様の為になるイメージとなることを願ってやみません。

最後になりますが、このような記事を偉そうに書いている私自身についても、今から振り返ってみれば、自分自身の営業活動がすべてお客様のためになったと断言する自信がありません。退職して会社員生活を振り返るようになったこの1年間で特に、私はいくつかの己の仕事を後悔すべきでないかと考えるようになりました。そしてそのことに、強い罪悪感を感じずにはいられない状態です。

自分自身に嘘をつき、誤魔化した挙句、「お客様の利益のために」と言いながら自己中心的な仕事を一度でもしたんじゃないか。そういう「欺瞞」の生き方をしていたのではないか。
私が会社を辞めたきっかけも、このような疑問を抱いたことにあります。

今となっては、私は私自身の悔やむべき罪を償わなければならない、と日々感じています。

その償いのためにも、「どうすれば投資業界が今よりも良くなるか」、即ち、どうすればお客様がたったの一人も嫌な思いをしないで済むようになるのか、考え続けたいと思っています。

まず第一歩として、
・回転売買をゼロに!
・適合性違反をゼロに!
・説明義務違反をゼロに!

こう声高に訴えてゆくことこそ、「証券マンを辞めた今の私に出来る、あらゆる方々への恩返しになる」。そう私は強く信じています。

そして、この記事を読んで下さった皆様が、世の中の「詐欺師」たちの被害に遭わないよう祈るばかりです。

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  1. 2012/06/12(火) 10:20:43|
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